重視される経済指標(2)
アメリカの貿易収支
アメリカの貿易収支は、日本の投資家にとってアメリカ独自の問題と、対日貿易不均衡の問題という2つの点で注目する必要があります。
アメリカ経済が順調に拡大を続けているということは、輸入増につながるので将来的に貿易収支が悪化する恐れもあります。この点は、アメリカの経済コントロールの問題なので、将来のファンダメンタルズを予測するのに活用しましょう。
ただし、アメリカはこのような状況になったときは、必ず日本との貿易不均衡を問題視するので、政治的な円高相場が生まれる可能性があるということを考えておきましょう。この意味で同国の対日貿易赤字には、日本の投資家は常に把握しておくことが必要です。
日本の経済指標
為替相場の観点からみると、相場のトレンドを形成するようなものは見当たりません。貿易黒字が拡大傾向にある状況では、貿易収支の傾向は常にチェックする必要があります。
経常収支の点から見れば、日本のように輸出超の傾向が続けば、本来は構造的には円高傾向が続いてもいいのですが、日米の思惑などもあって、近年の傾向は必ずしもそうした傾向になりません。
ただ、アメリカの政治的な思惑を観察する意味でも、貿易統計の発表のなかでも特に、対米貿易黒字は今後も重要な指標と言えます。また、指標ではありませんが、日銀短観などは外人でも話題にしているので、一応重要発表のひとつと言えるでしょう。
ただ、日本の経済指標が世界の為替相場の流れを大きく変えることは、現在の日本の実力から見て少ないと思われます。むしろ、日本の全ての指標を見ていく場合、実態経済の動向がどうなるのかの判断材料として、中長期的な視点で捉えたほうがいいでしょう。